愛犬とのお散歩、楽しめていますか? 「ぐいぐい引っ張られて腕が痛い…」 「すれ違う犬に吠えかかって大変…」 そんな悩みを持っている飼い主さんは意外と多いものです。
実はこれ、犬の**「歩く位置」**を変えるだけで劇的に改善するかもしれません。
今回は、大型犬でも小型犬でも実践可能! 早ければ1日、遅くても1週間で覚えられる、お散歩がもっと楽しくなる「横につく(サイド)」しつけ術をご紹介します。
まずはこちらの動画をご覧ください
百聞は一見に如かず。まずはこちらの動画で、理想的なお散歩のスタイルを見てみましょう。
動画のワンちゃん、素晴らしい集中力ですよね! ずっと飼い主さん(おばさん)の顔を見上げて歩いています。
これは信頼関係ができている証拠です。 犬が視線を送ってきたら、飼い主さんもアイコンタクトで答える。これが基本です。

一見、この女性は普通に歩いているように見えますが、犬はキリッと引き締まった動きで、完璧にコントロールされています。 この状態を目指して、具体的なしつけ方法を解説していきます。
なぜ犬が引っ張ったり吠えたりするの?
多くの飼い主さんがやりがちなのが、「犬を自分の前・好き勝手に歩かせる」こと。 実はこれ、犬に**「僕がこの群れのリーダーだ!」**と勘違いさせてしまう最大の原因なんです。
自分がリーダーだと思い込んだ犬は、前方から来る知らない犬や人を見ると、群れ(飼い主さん)を守ろうとして「防衛本能」が働きます。 その結果、「来るな!」と吠えたり、相手を威嚇するためにグイグイ引っ張ったりするようになるのです。

基本ポジションは「左後ろ」
解決策はシンプルです。犬に**「リーダーは飼い主さん」**だと再認識してもらうこと。 そのための基本ルールがこちらです。
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犬は「左後ろ」につける(慣れるまでは徹底的に)
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犬を絶対に前に出さない
もし犬が前に出そうになったら、リードをクイッと引いて、飼い主の斜め後ろの位置に戻します。 これを繰り返すことで、犬は自然と「あ、ここが僕の居場所なんだ」と学習します。
実践編:「サイド」の教え方ステップ
では、どうやってその定位置を教えればいいのでしょうか? お座りなどの基本コマンドの応用で教えることができます。
1. お座りの位置を変える
最初は正面でお座りを教えますが、できるようになったら**「飼い主の隣(左側)」**で座るように誘導します。 ここが「定位置」だと覚えさせます。
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成犬の場合: 最初はおやつを使って誘導し、動かさずにポジションへ導きます。
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ポイント: ポジションが決まったら、徐々におやつを使うのをやめます。

2. アイコンタクトのルール
犬が横に座り、飼い主を見上げたら(アイコンタクト)、その瞬間に褒めたりご褒美をあげたりしますが、定着してきたら「横に座ったらアイコンタクトを外す」という駆け引きも重要になってきます。 過度に興奮させず、冷静に横にいる状態を当たり前にするためです。
3. 「一歩前へ」の繰り返し
ここからが実践練習です。
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「わき」や「サイド」など、適当なコマンド(符号)を決める。
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その姿勢(横につく)を教える。
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一歩前に進んで止まり、「サイド」と言って横につかせる。
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また一歩進んで「サイド」。
これを繰り返します。
慣れてくれば、言葉のコマンドなしで、指の合図やアイコンタクトだけでスッと横について歩けるようになります。 方向転換などもスムーズにできるようになれば合格です!
子犬と成犬、しつけの違いは?
「成犬になってからじゃ遅い?」と思うかもしれませんが、このしつけは何歳からでも始められます。
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子犬: 体重が軽いため、物理的なコントロール(リード操作)が楽で覚えも早いです。お散歩デビュー直後から始めるとベストです。
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成犬: 体重があるため力がいりますが、やることは同じです。おやつなどの動機づけをうまく使えば、必ず覚えてくれます。
早ければ1日で理解しますし、少し頑固な子でも継続すれば1週間程度で大体覚えます。 あとは、その習慣を忘れさせないように継続するだけです。
応用編:芸としても使える
この「サイド」の動きは、フセやマテ(ステイ)と組み合わせることで、高度な服従訓練(オビディエンス)のような芸にもなります。 動画のワンちゃんのように、ビシッと横について歩く姿は、周りから見てもとても格好いいものです。
まとめ:お散歩をもっと楽しく!
犬が飼い主の横に寄り添い、アイコンタクトを取りながら歩く。 これができるようになるだけで、散歩中のトラブルは激減し、何よりお散歩自体がとても楽で楽しいものになります。
「うちの子はもう無理かも…」と諦めず、ぜひ今日のお散歩から「左後ろ」を意識してみてください。 信頼関係が深まり、愛犬との絆がさらに強くなるはずですよ。










